米Appleは、カナダBlackBerryで自動車向けソフトウエア部門を率いていたDan Dodge氏を雇い入れたと複数の海外メディア(The VergeAppleInsiderなど)が現地時間2016年7月28日までに米Bloombergの報道を引用して伝えた。

 それによると、Dodge氏はカナダのOS開発企業、QNX Software Systemsの創業者で、最高経営責任者(CEO)だった人物。2010年にBlackBerryがQNXを買収し、同氏はBlackBerryの自動車ソフトウエアグループの責任者を務めていたが、今年Appleに移籍したという。

 「Titan」と呼ばれるAppleの自動車開発プロジェクトについては先ごろ、かつてハードウエアエンジニアリング部門を率いていたBob Mansfield氏がその責任者に任命されたと伝えられたが、今回のBloombergの報道によると、Dodge氏はこのTitanプロジェクトに加わった(関連記事:Apple、MacBook Airを手がけた元副社長が自動車プロジェクトの責任者に)。

 また、AppleのTitanはプロジェクトは現在その最優先事項として、EV(電気自動車)ではなく、自律走行システムの開発に注力しているとBloombergは伝えている。これによりAppleは将来、EV開発に関して自動車メーカーと提携するか、あるいは自動車メーカーを買収する可能性があるという。

 QNXは、米Ford MotorやドイツVolkswagen、ドイツDaimlerなどのメーカーのカーナビゲーション・エンターテインメント・ソフトウエアを開発していた。Dodge氏は自動車業界の技術提携に関して幅広い知識を持っており、このことがAppleが同氏を雇い入れた理由ではいかとThe Vergeは伝えている。