米Googleが開発を進めている自動運転車の公道における完全自動運転モードの走行距離が、200万マイル(約320万キロメートル)を突破した。同社自動運転技術部門責任者であるDmitri Dolgov氏が自身のブログで現地時間2016年10月5日に明らかにした。人間の運転経験に例えると、300年分に相当するという。

 最初の100万マイル(約160万キロメートル)を走行するのに6年を要したが、次の100万マイルは16カ月で達成した。

 Dolgov氏はこれまでのテストを振り返り、「運転タスクの9割は、高速道路や市街地の信号、基本的な交差点などで比較的簡単に習得できた。しかし残りの10%がいっそう難しく、数年間かかった」と述べた。緊急車両、工事、レーン閉鎖といった状況を判断して対応するには、より多くの時間と長い経験が必要だったという。

 さらにこの1年間は、歩行者や自転車および他の自動車とのやりとりの仕方を学習した。例えば、車や自転車が合流する際の動きや運転者のしぐさなど、無言の合図を認識し、割り込ませてあげるべきか、通過するべきか判断する。

 また、この数カ月間に、馬に乗って道路を進む人や、チェーンソーを担いだ男性、一輪車の2人乗りなどを目撃し、「我々の自動運転車は人間のドライバーが一生に1度遭遇するかどうかの極めてまれなケースにも対応できる」と、Dolgov氏は自信をのぞかせている。

 米Wall Street Journal(閲覧には有料登録が必要)によると、2016年8月時点でGoogleは60台近い自動運転車を米国4州の公道でテストしている。

 他社の自動運転車プロジェクトを見ると、米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者が立ち上げた米nuTonomyが8月にシンガポールで自動運転タクシーの実験サービスを開始し(関連記事:シンガポールで自動運転タクシーの実験開始、MIT発ベンチャーが先手)、米Uber Technologiesが9月より米ペンシルベニア州ピッツバーグで自動運転タクシーのテストを行っている(関連記事:Uber、自動運転タクシーのパイロットテストをピッツバーグで開始)。中国Baidu(百度)も中国と米国で自動運転車のテストを実施しているという(関連記事:百度、自動運転車開発で奇瑞汽車のEV採用)。

[Dolgov氏のブログ]