米Googleの自動運転車開発プロジェクトで最高技術責任者(CTO)を務めていたChris Urmson氏は現地時間2016年8月5日、ブログプラットフォーム「 Medium」の投稿で退社することを明らかにした。

 Urmson氏は2009年にGoogleに入社し、当時まだGoogle内の極秘プロジェクトだった自動運転車開発に参加。以来、同プロジェクトの中心的役割を担い、自動運転車開発を率いていた。

 Googleは2015年9月、自動車情報サイトを運営する米TrueCarの元社長であるJohn Krafcik氏を同プロジェクトの最高経営責任者(CEO)に迎えた。Krafcik氏は、米Ford Mortorや韓国Hyundai Motorで幹部を務めた経歴を持つ。同氏の起用は自動運転車の商用化に向けて自動車産業との密な関係を望むGoogleの強い意志の表れだと、メディアらは伝えた(関連記事:Google、自動運転車開発プロジェクトのCEOに業界ベテランを任命)。

 Urmson氏は今回の投稿で、「自動運転走行が180万マイルを達成した今、退任し、次の冒険を見つけるべきだと判断した」と、退社の決意について説明。また、「このチームの一員であったことは素晴らしい特権と名誉だった。わずか数人だったころから世界クラスのチームに成長するまで携われたのは幸運だった」と述べ、「同プロジェクトのミッションは、全面的に信頼する有能な人材の手に委ねる」とした。

 米New York Timesが関係者から得た情報によると、Urmson氏はKrafcik氏就任以降の同プロジェクトの方向性に不満を抱き、それについて数カ月前、Google持ち株会社AlphabetのCEO、Larry Page氏と口論になったという。Urmson氏は最近退社の意思を固め、8月4日にチームメンバーに伝えた。