米Googleは自動運転車開発プロジェクトの責任者に、米Ford Mortorや韓国Hyundai Motorで幹部を務めた自動車業界のベテランを起用すると、複数の米メディア(Wall Street JournalNew York TimesTechCrunchなど)が報じている。

 Googleは、自動車情報サイトを運営する米TrueCarの元社長であるJohn Krafcik氏を自動運転車開発プロジェクトの最高経営責任者(CEO)として今月迎えることを現地時間2015年9月13日に発表した。Krafcik氏自身も、Twitterの公式アカウントで同プロジェクトに加わることを明らかにしている。

 これまで同プロジェクトの責任者を務めていたChris Urmson氏は自動運転車およびソフトウエアの技術開発面を率いる。

 Krafcik氏は、1990年~2004年の14年間Fordに勤務し、さまざまな製品開発部門の責任者を歴任した。Hyundaiには10年間在籍し、米国事業の社長兼CEOを5年間務めた。同氏の在職中にHyundaiは過去最高の売上高を記録し、米国でのシェアを伸ばした。

 Krafcik氏の起用は、Googleが自動運転車の事業化に真剣であり、商用化に向けて自動車産業との密な関係を望む姿勢を示すものだと、メディアらは見ている。

 Googleは今年8月、「Alphabet」という新会社の傘下に各事業を配置し、検索および広告事業、投資事業、医療関連事業などを個別に運営する組織再編を発表した(Googleのプレスリリース)。次世代製品研究部門「Google X」もAlphabet傘下の一事業となる。

 Googleの広報担当者は、「自動運転車開発プロジェクトはGoogle X内にとどまるが、将来いずれかの時点で独立事業になる有力候補の1つ」と述べている(米USA TODAYの報道)。

 同プロジェクトの公道テスト走行距離はすでに100万マイルを超え、今年6月から自社開発のプロトタイプによる公道テストを実施している(関連記事: Google、自社開発の自動運転プロトタイプ車、公道テストを開始)。