米Amazon.comは、仮想現実(VR)用プラットフォームの開発を目指しており、その開発部門を率いる責任者を探していると複数の米メディア(MashableCNETPCWorldなど)が現地時間2016年3月8日までに報じた。

 Amazon.comは米国の求人・キャリア情報サイトGlassdoorに、求人情報を出しており、そのWebページには、同社のVRチームを率いるシニア・ソフトウエア開発マネジャーを募集しているとの記載がある。このチームは、同社の映像コンテンツ配信サービス「Amazon Video」におけるVR体験の開発を担当し、「没入型コンテンツのプラットフォームとインタフェースを探求・開発する」との記述がある。また、「これにはVR体験(コンテンツ)の制作と再生のためのプラットフォームが含まれる」との説明もある。

 VRの分野では、米Facebook傘下Oculus VRの「Oculus Rift」や、韓国Samsung Electronicsの「Gear VR」、台湾HTC(宏達国際電子)の「HTC Vive」といったハードウエアが注目されている。だがAmazon.comが今のところ注力しているのは、映像コンテンツ向けプラットフォームのようだと、米メディアは伝えている。

 映像配信サービスの分野でAmazon.comの競合企業である米Netflixは、SamsungのGear VR用アプリをすでに開発している。また米HuluもVRアプリの開発に着手しており、今春にもリリースする予定という。前述の求人サイトには「エンターテインメントは急速に進化している。未来は受動的な2D体験に限定されない」との記述もある。Amazon.comにはエンターテインメント分野でこうしたライバルに対抗する狙いがあるのではないかと見られている(関連記事:SamsungとOculus、消費者向け「Gear VR」を99ドルで今秋リリース)。