マイナンバー制度の関連システムを運用する地方公共団体情報システム機構(J-LIS)は2016年1月25日、同日まで断続的に「カード管理システム」で障害が発生し、一部の自治体(市区町村)で個人番号カード交付などの業務が滞ったと発表した。
J-LISは既に1月13日、18日、19日にもシステム障害が発生したことを明らかにしている。その後、21日、22日、25日にもそれぞれ10~40分程度障害が発生し、自治体からの処理要求の一部をこなせなくなった。
J-LISの説明によれば、21日以降の障害はいずれも「住基ネット中継サーバー2号機」の動作が不安定になったことが原因である(図)。2号機では18日と19日にも障害が発生したが、部品交換によっていったん収束した(関連記事:部品交換でマイナンバー「中継サーバー」障害解消、根本原因はなお不明)。だがその後も再発を繰り返している。
根本的な原因は今も分かっておらず、22日以降は中継サーバーの状態監視を強化し、異常が発生したら迅速に再起動する体制をとっている。24日には中継サーバー3号機を増設。既設の1号機と新設の3号機は正常に稼働しているが、25日には再度2号機の動作が不安定になり、一部自治体でカード交付業務が滞った。
障害が起きた「カード管理システム」を中心とするマイナンバー管理システムは2014年1月にNTTコミュニケーションズ、NTTデータ、富士通、NEC、日立製作所の5社からなるコンソーシアムが約69億円で受注した(関連記事:マイナンバーの生成システムは69億円で構築、NTTコムなど「大手5社連合」が落札)。5社はそれぞれ運用・保守業務も受託している。J-LISによれば、5社のうちどの社の担当部分に異常があるかも含めて、現在調査中だという。