米Yahoo!の株主である米Starboard Valueは現地時間2016年1月6日、Yahoo!取締役会に宛てた書簡を公開し、経営陣と戦略の刷新を要求したことを明らかにした。

 Starboardは、株主が現在の経営陣および取締役会の能力に対する信頼を失っているとし、今こそ大幅な変革が必要だと主張している。

 Yahoo!は先月、中国Alibaba Group(阿里巴巴)の持ち株を分離する計画の撤回を発表した。Alibaba株の移管が非課税対象にならない可能性を投資家らが懸念したため、同計画を中止し、それに代わる構造改革の手段を検討することを決定した(関連記事:Yahoo!、Alibaba株分離計画を撤回、ネット事業などの逆スピンオフを模索へ)。
 
 Starboardは、Alibaba株分離計画の中止が「最終的に正しい判断だった」と評価する一方、代替手段として検討している中核事業の分離(逆スピンオフ)が手続き完了までに1年以上かかると見ていることについて「株主がさらに1年待たされる間に、経営陣が価値を食いつぶし続けることは受け入れ難い」と激しく批判。

 中核の検索およびディスプレイ広告事業は業績悪化の負のスパイラルが続いていると指摘し、「中核事業の建て直しを担うはずの経営陣は容認できる結果を出せておらず、収益性とキャッシュフローの大幅な下落を引き起こしている」と非難した。

 Starboardは、中核事業の分離もしくは売却を検討することが最良であり、あわせて業績改善も実現するには、リーダーシップと戦略の変更が必要だと提案。もし取締役会が同社の提案を受け入れれば前向きに協力すると述べ、もし受け入れなければ、委任状争奪戦を仕掛ける可能性を示唆した。

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