NECは2015年12月25日、新野隆 代表取締役 執行役員副社長が2016年4月1日付けで代表取締役 執行役員社長 兼 CEO(最高経営責任者)に就任する人事を発表した(関連記事)。同日開いた会見で新野氏は、来春にも発表する次期中期経営計画(中計)を念頭に、「次の3年を乗り切って成長につなげたい」と抱負を語った(写真1)。会見の主な一問一答は以下の通り。代表取締役執行役員社長の遠藤信博氏も回答した。

写真1●現社長の遠藤氏(左)と次期社長の新野氏(右)
写真1●現社長の遠藤氏(左)と次期社長の新野氏(右)
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新野氏へのバトンタッチを決めたのはいつか。このタイミングで発表した理由は。

遠藤 新野氏はこれまで私の右腕として各種の難題に取り組み、中計の策定に携わってきた。次期中計ではリーダーの役割を果たしてくれると信じている。

 企業で一番重要なのは継続性。価値創造をし続ける力、そして社員が集まって仕事をする場を継続することだ。この基盤を引き継いでくれる人がいる今のタイミングが大切と考えた。

 NECは「指名報酬委員会」という組織で社長の候補を選定し、取締役会にかける。常にこういうプロセスが動いている。

新野 遠藤氏からは数カ月前に、次期社長候補として推薦すると言われ、「えーっ」と思った。つい先日、指名報酬委員会で(正式に候補として)決まったと告げられた。私としてはもっと若い人になると思っていた。

 2010年からの中計は厳しいものだった。現在の中計で本当は成長を見せたかったが、そうはいかなかった。次の中計は重要。ぜひ、次の3年を乗り切って成長につなげたい。とにかく、やるしかないと思っている。

遠藤社長は就任以来の6年を振り返ってどう感じるか。自己採点すると?

遠藤 2010年の就任当時、NECには課題が多く、健全な経営状態とは言えなかった。最初の3年間、経営層を集めて方向性を議論し、NECのICT資産を社会ソリューション事業に集中しようと決めた。2013年以降の中計は、この方針を実行してきた。

 NECの経営基盤として重視しているのは、各事業部門が適切に連携する面としての経営。まだ十分とは思わないが、これまでの中計で目指すべきNECのグループ像ができた。次の中計に期待しているのはオペレーション。グローバル事業や注力領域事業、さらには文化、それぞれの成長を、新野氏には期待している。

 自己採点?60点くらいと申し上げておく。