台湾TSMC(台湾積体電路製造)は現地時間2015年12月7日、中国の南京に12インチウエハー工場およびデザインサービスセンターを建設する計画について、台湾経済部投資審議委員会に申請済みであることを明らかにした。

 同建設プロジェクトはTSMCが100%出資する。12インチウエハー工場では月間2万個の生産量を目指し、2018年下半期に16nmプロセス技術による量産を開始する予定。

 TSMCのMorris Chang(張忠謀)会長は、中国での半導体施設建設を決定した理由について、「中国半導体市場が急成長する中、中国の顧客へのより密な対応と、当社の事業機会拡大を図るため」と述べている。

 TSMCは出資規模について明らかにしていないが、英Reutersなどは「約30億ドル」と報じている。

 多くの大手半導体企業は中国での事業展開に関して、中国の事業体と手を組んでいる。例えば米Intelは、Tsinghua Unigroup(清華紫光集団)やFuzhou Rockchip Electronics(福州瑞芯微電子)と提携を結ぶなどして、中国への注力を強化している(関連記事:Intel、中国の半導体工場に最大16億ドルを投資)。しかしこうした提携によって中国に高度な技術が盗まれると懸念する声も多く、TSMCは自社の技術を守るために競合社とは別の道を選んだと、米New York Timesは伝えている。

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