DIRECTVのWebサイト
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 米連邦通信委員会(FCC)は現地時間2015年7月24日、米AT&Tによる米DIRECTV買収計画を条件付きで承認したと発表した。これにより有料テレビサービスの加入者数は米国で2600万人以上、中南米で1900万人以上にのぼり、「米国および世界で最大の有料テレビサービス事業者となる」としている。

 AT&Tは2014年5月にDIRECTVを485億ドルで買収することで最終合意したと発表(関連記事:AT&T、衛星TVサービスのDIRECTVを485億ドルで買収へ)。当初は1年以内の手続き完了を目指していたが、FCCの承認を得るまで1年以上を要した。

 承認の条件には、以下が含まれる。今後4年間に、1250万人をカバーする高速光ファイバー網を構築する。ビデオ配信サービスで差別的慣習を行わない。インターネット相互接続の契約についてFCCに報告する。低所得者向けにブロードバンドサービスを割り引き提供する。

 これらの条件は、米国最大級の電気通信企業と衛星ビデオサービスの統合によって市場競争が脅かされるとの懸念に対応するためであると、FCCは説明している。

 AT&Tは同日、FCCからの承認を獲得したことでDIRECTV買収の手続きを完了した。DIRECTVの買収で、収入構成や製品、地域、顧客の大幅な多様化を図るとしている。今後数カ月をかけて業務の統合を進めるとともに、数週間以内にテレビ、モバイル、高速インターネットを組み合わせた新しい統合サービスの提供を開始する。

 DIRECTV買収後のAT&Tは、有料テレビサービス市場で米Comcastを超える規模となる。Comcastは2014年2月に米Time Warner Cable(TWC)を買収する計画を発表したが、米当局は2015年4月にこれを承認しない判断を下している(英Reutersの報道)。

[発表資料(FCCのプレスリリース)]
[発表資料(AT&Tのプレスリリース)]