米AT&Tは現地時間2014年5月18日、米DIRECTVを買収することで両社が最終合意に達したと発表した。買収額は485億ドルで、DIRECTVの負債も含めると取引総額は671億ドルにのぼる。約1年以内の手続き完了を目指す。

 合意条件のもと、AT&TはDIRECTVの株式を1株あたり95ドル(28.50ドルの現金と66.50ドル相当のAT&T株式)で買い取る。両社取締役会は同買収計画をすでに承認済みで、今後DIRECTV株主や米当局および中南米当局から承認を得る必要がある。

 AT&Tは、DIRECTV獲得により、ビデオ配信、ブロードバンド、モバイルを組み合わせたバンドルサービスを米国全土で提供するとし、買収後のブロードバンドサービス拡大計画などについても明らかにした。

 AT&TのRandall Stephenson会長兼最高経営責任者(CEO)は、DIRECTVが有料テレビサービスの主要ブランドであること、コンテンツプロバイダーと良い関係を築いていること、成長する中南米事業を展開していることを挙げ、「顧客に競争力のある選択肢を提供できる」と述べた。

 米国の有料テレビサービス市場に関しては、今年2月に米Comcastが米Time Warner Cable(TWC)を買収すると発表している。年内の手続き完了を見込んでおり、買収が成立した場合のComcastの加入者総数は約3000万人となる(関連記事:ComcastがTime Warner Cableを約452億ドルで買収へ)。

 米New York Timesの報道によると、AT&Tの光サービス「U-verse」を通じたテレビサービス加入者は現在約570万人だが、DIRECTVの約2030万人が加われば、Comcastに次ぐ規模となる。

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