Google傘下のイスラエルWazeが、同国でカープール(自家用車の相乗り)サービスの実験を始めたと複数の海外メディア(米Wall Street Journal米New York Times米CNETなど)が現地時間2015年7月6日に報じた。

 このサービスの名称は「RideWith」。当面は、テルアビブとその近郊の通勤者を対象とする。利用者は同名のAndroid用アプリで、自宅と通勤地の間を走る自家用車にカープールを申し込むことができる。一方、自家用車の運転者は、Wazeのカーナビゲーションアプリで行き先が同じ方向の通勤者を探す。アプリのGPS機能を使って利用者を拾い、目的地まで送り届けるという(関連記事:Google、「Google Maps」モバイルアプリにWazeの交通情報を統合)。

 Wall Street JournalによるとRideWithは、配車サービスの米Uber Technologiesが各国で直面しているような法規制の問題を避けるため、サービスに制限を設ける(関連記事:Uberがフランスで一部サービスを停止、抗議活動や幹部逮捕など受け)。

 例えば、通勤の行き帰りにカープールを利用したい人だけがこのサービスの対象となる。運転者が利用者を乗せられるのは、自分が自宅近くから職場に行くとき、あるいは職場から自宅近くに帰るときのみとなり、その1日当たりの回数は最大2回だという。

 また、利用者はアプリに紐づけられたクレジットードで料金を支払うが、その対価の対象はガソリン代と、自動車の使用に伴う消耗費用のみで、運転報酬は支払われない。RideWithは、あくまでもカープールを支援するサービスだという。

 Wall Street Journalによると、Googleの広報担当者は電子メールの取材に対し、「交通量の多い時間帯にテルアビブの通勤者が互いに助け合うためのプラットフォームであり、Uberと競合するものではない」と述べている。なお、この話題を最初に報じたイスラエルのニュースサイト、Haaretzは、Googleはカープール料金の15%を手数料として徴収する計画で、これがWazeの新たな収入源になると、伝えている。