写真●Hitachi Unified Compute Platform for SAP HANAの外観
写真●Hitachi Unified Compute Platform for SAP HANAの外観
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 日立製作所は2015年5月7日、インメモリーデータベース「SAP HANA」に特化した専用サーバー機の新モデル「Hitachi Unified Compute Platform for SAP HANA」(以下、UCP for SAP HANA、写真)を発表した。5月8日から全世界で販売を開始し、5月29日から順次出荷する。18コアの新CPU「Xeon E7-8890 v3」を搭載するなど、最新のサーバー機とストレージ機器を採用した。

 SAP HANA専用サーバー機の後継モデルである。従来モデルは、国内では「日立インメモリDBアプライアンス for SAP HANA」の名称で、グローバルでは米国の日立データシステムズが「Hitachi Converged Platform for SAP HANA」の名称で提供してきた。今回、ハードウエアを刷新し、国内とグローバルで製品名称を統一した。従来モデルは併売する。

最大構成時に144コア、LPARでマルチテナント運用も可能

 UCP for SAP HANAでは、ブレードサーバーのハイエンド機で2014年10月から販売している「BladeSymphony BS2500」を初めて採用した(関連記事:日立、従来比2.3倍の最上位ブレードサーバー「BS2500」)。BS2500向けに、最新CPUを搭載した「高性能サーバブレードA2」を用意したタイミングで、SAP HANA専用機を刷新した(関連記事:インテルがXeon E7 v3シリーズを発表、「TSX」でSAP HANA性能が6倍に)。

 SAP HANA専用機としてはこれまで、2011年12月にブレードサーバーの「BS2000」を採用した初期モデルを提供。2014年10月には、ブレードサーバーのエントリー機「BS500」をベースに、SAP HANAをマルチテナント型で運用できるモデルを追加した。BS500採用モデルの特徴は、独自の論理パーティショニング(LPAR)機構であるVirtage(バタージュ)環境でSAP HANAを利用できることである。

 今回のUCP for SAP HANAでは、Virtageを使わないモデルに加えて、BS500採用モデルのようにVirtageを使えるモデルを用意した。ハイエンドクラスのサーバー機(BS2500やBS2000)とVirtageの組み合わせは、同社のSAP HANA専用サーバーとしては初めての組み合わせとなる。ハードウエアの最大構成は、ブレード4台で8CPU(144コア)。この時、Virtageを使わない場合は最大144コアのSMPマシンとして運用できる。Virtageを使う場合は、4台(36コア)または8台(18コア)のLPARを運用できる。Virtage対応モデルは2015年7月6日に出荷する予定。

ストレージは最新のミッドレンジ機を採用

 UCP for SAP HANAでは、ストレージも新しくした。2015年4月に販売を開始した「Hitachi Virtual Storage Platform」(VSP)のミッドレンジモデル新製品を採用した(関連記事:日立がミッドレンジストレージ刷新、ハイエンドとOS共通化)。Virtageを使わない場合は「VSP G200」を使う。一方、Virtageを使う場合は、ミッドレンジストレージ各モデル(G800/G600/G400/G200/G100)の中から顧客用件に合わせて選定する。

 UCP for SAP HANAの価格は個別見積もりだが、最小構成となる「Sモデル」(ブレードサーバー1台、2CPU、36コア)でメインメモリー容量が最小の128Gバイトの場合、ハードウエアだけで約2500万円。これに別途、SAP HANAのソフトウエアライセンス費用や導入サービスなどの契約が必要になる。