経済産業省と東京証券取引所が2015年5月に初めて公表する「攻めのIT経営銘柄」について、ユーザー企業でITシステムやデータを駆使して変革をリードする情報化キーパーソンの8割が「有意義な取り組み」と評価――。2015年4月21日、日経BP社が主催したイベント「日経ITイノベーターズ Executive Summit ZERO」の会場アンケートで分かった。
攻めのIT経営銘柄は、情報システムやデータを駆使して好業績を上げている企業を選定する取り組み(関連記事)。経産省と東京証券取引所が共同でアンケート調査を実施し、2015年5月下旬に第1回選定企業を公表する予定である。
日経ITイノベーターズ Executive Summit ZEROは、日経BP社が2015年11月からサービスを開始する会員制サービス「日経ITイノベーターズ」のプレイベント。日経ITイノベーターズは、CIO(最高情報責任者)やシステム部長、CMO(最高マーケティング責任者)、データサイエンティスト、経営企画部門長などITシステム/データの利活用部門のリーダー(日経ITイノベーターズでは「エグゼクティブメンバー」と呼ぶ)が一堂に会し、部門の垣根を越えた議論・交流を通じて相互研鑽を重ねるプラットフォームを提供する。「積極的なIT投資により競争優位を目指す企業の創出への寄与」「情報技術を駆使し企業の変革者として事業や組織をけん引する『ITイノベーター』を支援する」などの事業理念に掲げ、活動を進める。
4月21日には、62人のエグゼクティブメンバーが集結。経済産業省商務情報政策局の野口聡情報処理振興課長が「攻めのIT経営の推進について」と題した講演の後、「攻めのIT経営」についてディスカッションした。冒頭の調査結果は、このディスカッションで分かった結果だ。
「攻めのIT経営銘柄についてどう思うか」と質問したところ、「有意義な取り組みであり、継続してほしい」(39%)と「有意義な取り組みだが、やり方などを改善し継続してほしい」(40%)を足した回答者の比率が約8割を占めた。「どちらともいえない」が15%、「あまり意義を感じない」が6%だった。「攻めのIT経営を実現できている企業を公表する取り組みは意義があると思うが、なぜそれが実現できているのかまで検証することを期待する」(ヤンマーの矢島孝應執行役員)などの改善案が出た。
さらに、セコム元会長で、益子昌平塾 塾長の木村昌平氏が「ITイノベーターが日本を変える」と題して講演。エグゼクティブメンバーに向けて、「(真のリーダーとして)魂を揺さぶる人になってほしい」「人の心を動かすためには、あるがままの己をさらけ出す。そして心底から語りかける。決め手は肩書きなしの人間力」と激励。
この講演内容を受け、「ITイノベーターの使命」についてエグゼクティブメンバーが議論し、盛り上がった。日経ITイノベーターズのエグゼクティブメンバーの所属企業*は85社88人。うち62人が4月21日の会合に参加した。
日経ITイノベーターズのサービス内容、および日経ITイノベーターズExecutive Summit ZEROの詳細は、ITproを含む日経BP社のWebサイト上で近日中に公開する予定である。