欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)は、4年以上に及ぶ調査の末、米Googleを欧州競争法違反で正式に提訴することを決定したと、複数の米メディア(Wall Street JournalNew York Timesなど)が報じた。

 関係筋の情報によると、EC競争政策担当のMargrethe Vestager氏が現地時間2015年4月14日、Jean-Claude Juncker委員長の同意を得て判断を下した。Vestager氏は4月15日の会議で委員らにこの決定を伝えるとみられる。

 ECは、欧州の価格比較サイトや検索エンジンなどからの苦情申立に応えて、2010年11月にGoogleに対する調査を開始(関連記事:欧州委員会、競争法違反の疑いでGoogleの正式調査を開始)。Googleが欧州の検索市場における独占的地位を乱用し、自社サービスに有利な検索結果表示を行っているとの見解を示した。

 Googleは複数回にわたって是正案を提出し、和解間近と報じられることもあったが、解決に至らなかった(関連記事:欧州委、Googleに改善案要求、「懸念が払拭できなければ次の段階へ」)。ECの調査が継続する中、欧州議会は昨年11月、Googleに検索事業の分社化を求める決議案を承認し(関連記事:Googleに検索事業の分社化を求める決議案、欧州議会が承認)、ECに決断を迫っていた。

 ECが競争法違反を確認した場合に科す制裁金は年間総売上高の最大10%とされており、Googleは理論上、60億ドル以上を科される可能性がある。

 しかし制裁金よりGoogleにとって痛手となるのは、是正条件として検索結果の表示方法に変更を求められることだと、米Bloombergは指摘している。