米Googleの検索事業を巡って欧州競争法違反の問題を調査している欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)は現地時間2014年9月23日、Googleから同委員会の懸念を払拭する回答が得られなければ、違反を通知する異議告知書(Statement of Objections)の準備を進める意向であることを明らかにした。

 EC競争政策担当のJoaquin Almunia氏は9月初めにGoogleに対して是正案の改善を求めており、現在Googleの回答を待っている。同氏は、「Googleの回答が正しい方向であれば、調査終了に向けた手続きを進める。そうでなければ、異議告知書の準備に取りかかる」と述べている。

 ECは、GoogleがWeb検索およびオンライン検索広告市場における独占的地位を乱用している疑いがあるとして2010年11月に調査を開始。Googleは2013年4月に是正案を提示したが、ECはさらなる譲歩案を要求。10月に是正案の改良版を提出し、今年2月に提出した2度目の改良版でECは「我々の懸念を払拭する内容になっている」との見解を示した(関連記事:Googleが検索事業に関する新たな是正案提出、「懸念を払拭する内容」と欧州委)。

 これにより和解に近づいたかに見えたが、ECは今夏までに20以上の正式な苦情申請を受け取り、Googleの是正案の一部内容について見直すことにしたという。

 米メディアの報道(CNET)によると、欧州の政治家や大手出版社らのほか、米Microsoftなどの競合社がECとGoogleの和解に猛反発した。Microsoftはかつて、長年にわたってECの調査を受け、競争法違反で巨額の制裁金を科せられている。

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