中国Xiaomi(小米科技)は中国のスポーツ用品メーカー、Li-Ning(李寧)と提携し、チップを内蔵したランニングシューズを開発すると、複数の海外メディア(英Financial Times米CNETなど)が現地時間2015年3月16日までに英Reutersの報道を引用して伝えた。

 それによると、Li-Ningは、リストバンド型端末「Mi Band」の開発を手がけたXiaomiの関連会社、Huami Technology(華米科技)と提携する。これにより、ソール部分に組み込んだチップでランナーの走りの状態やフォームなどを計測するスマートランニングシューズを開発する。このランニングシューズはXiaomiのモバイルアプリと連携し、ランナーが達成した目標値などを記録するという。ただしCNETによると、製品の発売時期や価格などの情報は今のところ明らかになっていない。Li-Ningはまず中国で販売を開始し、その後、米国などの国外市場で発売するのではないかとCNETは伝えている。

 Li-Ningは、ロサンゼルスオリンピック金メダリストの元体操選手、李寧氏が創業した企業。李寧氏は北京オリンピックの開会式で聖火リレーの最終ランナーを務めるなど知名度があり、同氏の名を冠したブランドは、中国スポーツ用品市場でNike、Adidasに続く3位のシェアを持つと言われている。ただFinancial Timesによると、Li-Ningの業績はここ数年悪化している。同社は今年1月、3年連続で赤字になるとの業績見通しを明らかにした。

 一方のXiaomiは、創業5年未満の新興企業ながら業績を急速に伸ばしている。昨年10~12月期における同社のスマートフォン世界出荷台数は前年同期比2.8倍の1660万台となり、メーカー別の出荷台数ランキングで5位になった。同社はスマートフォンのほか、リストバンド型端末やヘッドフォン、モバイルバッテリー、セットトップボックス、アクションカメラなども手がけており、先ごろはこれらアクセサリー製品を米国で販売すると発表した(関連記事:Xiaomi、米国で直販サイト立ち上げ、スマホ以外の製品販売へ)。

 両社によると、中国のスポーツウエアブランドとテクノロジーブランドが提携するのは初めてのこと。Li-NingはXiaomiの高い知名度を利用し、自社ブランドイメージの回復を狙っているのではないかと、Financial Timesは伝えている。