中国Xiaomi(小米科技)が米国版の直販サイトを立ち上げる計画だと、複数の海外メディア(英Financial Times米Wall Street Journalなど)が現地時間2015年2月12日に報じた。

 Xiaomiが同日、米サンフランシスコで開催したイベントで明らかにしたという。同社にはスマートフォンやタブレット端末などを販売するWebサイト「mi.com」があるが、同サイトの米国版を今後数カ月のうちに開設する予定。ただし米国では、主力製品であるモバイル端末は取り扱わず、ヘッドフォンやモバイルバッテリー、フィットネスバンドなどのアクセサリー製品を販売するとしている。

 米Google出身で、Xiaomiのグローバル事業を統括するHugo Barra氏は、「現時点でスマートフォンとタブレットの販売は我々の計画にない」と述べている。その理由は、「ハードウエアとソフトウエアのローカライズ、そして通信認可の取得にはとてつもない作業が必要」(同氏)だからという。ただし、同氏は米国以外の新たな市場に進出する計画を示唆したとFinancial Timesは伝えている。Xiaomiの直販サイトは現在、中国本土、香港、台湾、シンガポール、マレーシア、フィリピン、インド、インドネシアでサービスを提供している。これらのサイトではテレビ、セットトップボックス、無線LANルーターといった自社ブランド製品も取り扱っている。

 Wall Street Journalによると、Xiaomiは今回初めて米国でイベントを開催した。イベントの目的は同社製品全般を披露するとともに、ソフトウエアや企業文化などを紹介すること。会場では、スマートフォンで自分撮りした写真をきれいに見せるための編集機能などをBarra氏が紹介した。

 Xiaomiの創業は2010年4月。同社はまだ創業5年にも満たない新興企業だが昨年は躍進が続いた。米IDCが先ごろまとめたスマートフォンの世界市場に関する調査よると、昨年10~12月期におけるXiaomiの出荷台数は前年同期比2.8倍の1660万台となり、メーカー別出荷台数ランキングで5位になった(関連記事:[データは語る]2014年Q4の世界スマホ市場、Appleの出荷台数、首位のSamsungに肉薄)。

 同社は昨年12月にシンガポール政府投資公社(GIC)やロシアDST Globalなどの投資家から11億ドルを調達した。この資金調達で評価された同社の企業価値は450億ドル超。株式未公開のハイテク新興企業の評価額としては最高額と報じられた。Xiaomiによると、昨年1年間の税込売上高は743億元(約119億7000万米ドル)で、前年の2.35倍。また年間のスマートフォン販売台数は同3.27倍の6110万台に達した。