セゾン情報システムズは2015年2月12日、シンガポールの投資ファンド運営会社エフィッシモ・キャピタル・マネージメントが2月9日に公表した株式公開買付け(TOB)について、「大規模買付ルールに基づく特別委員会」に対して検討を行うことを要請したと発表した。

 エフィッシモは2月9日付けで、東証JASDAQスタンダードに上場しているセゾン情報株式のTOBに関する決定を公表し、翌10日にTOBを開始した。TOBの上限は発行済株式の5.29%に設定しており、既にエフィッシモが保有する株式と合わせて最大で33%を取得する方針である。エフィッシモは株式買い増しの目的を「純投資」としており、株主総会を通じて経営権を及ぼすために3分の1超の議決権を取得することは「意図していない」と主張している。

 セゾン情報は現時点でTOBに関する見解を表明していないが、2月9日付けの発表資料で、「エフィッシモからTOBを開始する旨の一方的な通告を受けた」としている。セゾン情報の「特別委員会」は「対抗措置の発動の是非その他大規模買付行為の是非等に関する諮問」を行うための委員会だとされており、TOBへの対抗策を検討するとみられる。

 セゾン情報の筆頭株主はクレディセゾンで、発行済株式の46.84%(2014年3月末時点)を保有する。売上高の3分の1程度をクレディセゾン向けが占めるなど事業上の関係も深い。クレディセゾン向け以外では、企業向けファイル転送ソフト「HULFT」(関連記事:セゾン情報、ファイル転送ソフト新版「HULFT8」を12月販売)や、子会社アプレッソが開発するデータ連携ソフト「DataSpider」(関連記事:アプレッソ、データ連携ソフトの新版でAWS連携を強化)などが有力製品である。

 エフィッシモは旧「村上ファンド」出身者がシンガポールで立ち上げた投資会社。投資先企業への積極的な提言で変革を促す「アクティビストファンド」の1つである。ヤマダ電機の筆頭株主としても知られる。

セゾン情報システムズの発表資料(PDF)