横河レンタ・リースは2015年1月20日、PCのデータをクラウド上に保存するサービス「Flex Work Place Passage Cloud」を発表した。3月1日に提供を開始する。PC内のデータをすべてクラウドに外部保存することで、端末更新時のデータ移行を容易にしたり、端末紛失時のデータ漏洩を防止したりする。

 利用には、PCにクライアントソフト「Passageソフトウエア」をインストールする必要がある。PassageソフトウエアはローカルHDDに対するデータの読み書き処理を、すべてクラウド上のストレージにリダイレクトする。PCはOSとアプリ領域ではローカルHDDを利用する一方で、ユーザー領域ではクラウド上のストレージを利用する格好だ。ドキュメントファイルなどのユーザー領域のデータはローカルHDDに保存されない。

 月額料金は1ユーザー当たり980円。標準サービスで1Gバイトのストレージ利用権が付く。5Gバイトのストレージ利用権が付いたプランもあり、こちらの月額料金は1480円。横河レンタ・リース システム事業本部 エンジニアリング事業部の松尾太輔事業推進部長は「一般的な仮想デスクトップではサーバー構築コストが高額になりがち。Flex Work Place Passage Cloudは低コストで利用できるのが特徴」とアピールする。

 2013年11月にオンプレミス環境のファイルサーバーを利用した同様のサービスを開始済み(関連記事:横河レンタ・リース、低コストで仮想デスクトップを実現する運用管理ソリューションを販売開始)。「ファイルサーバーの所有ではなく、月額のサービスとして利用したいというニーズが多く、新サービスを投入した」(松尾事業推進部長)という。

 同社はPCのレンタル事業も展開しており、レンタル事業とFlex Work Place Passage Cloudを組み合わせたサービスを展開していきたい考え。水島達二代表取締役社長は「レンタルだと契約上は更新が容易だが、データ移行の手間がかかるため、古いモデルのパソコンを使い続けるユーザーが少なくない。データ移行を容易にするFlex Work Place Passage Cloudを使って、PCを更新しやすくしていきたい」と展望を語る。