キヤノンプロダクションプリンティングシステムズ(キヤノンPPS)は2014年12月15日、同社の顧客層の一つである印刷サービス事業者に向けて、内部統制ソフト「ESS REC」の取り扱いを開始すると発表した。12月下旬に発売する。同ソフトを使えば、印刷サービスの運営においてオペレーターの操作内容をログと動画で記録できる。開発会社はエンカレッジ・テクノロジで、キヤノンPPSによる販売価格(税別)は最小構成時に200万円から。国内販売目標は、2017年までに累計30社。

 ESS RECとは、WindowsパソコンのGUI操作を映像(動画像)として記録するソフトである(関連記事:Windowsの操作をログと動画で記録する内部統制ソフト、新版でファイル操作を詳細に記録)。内部統制を目的としている。不正を抑制するほか、記録したデータを基にしてシステム監査用の分析レポートを生成できる。情報漏洩などの有事の際には、過去の記録データの中から関連するデータを検索して抽出できる。

 動画の記録に加え、ファイル操作、キーボード操作、画面に表示されている文字列、USBデバイスの接続/切断といった操作ログも、テキストデータとして並行して記録する。このログには時刻情報が含まれるため、同じ時刻情報を持つ動画と組み合わせることによって、テキストのログをトリガーにした動画の検索と再生が可能になる。これにより、情報漏えいの原因を突き止めやすくなる。

 今回、キヤノンPPSは、ESS RECの開発会社であるエンカレッジ・テクノロジとの間で販売代理店契約を交わし、キヤノンPPSの顧客層の一つであるデータ印刷サービス事業者に対し、みずからESS RECを販売できるようにした。背景には、データ印刷サービス事業者は、請求書やダイレクトメールなどのように大量の個人情報が含まれる印刷物を製作しており、内部統制ニーズが高まっているという状況があるという。