ソニーとベンチャー投資ファンド運営や大企業の新規事業育成などを手掛けるWiLは2014年12月12日、スマートロックの開発・製造・販売および運営サービスを提供する合弁会社を12月中に設立すると発表した。合弁会社の社名はQrio(キュリオ)株式会社。5月にWiL側からスマートロックの事業化についての打診があり、検討を進めていたという。ソニーが持つ無線セキュリティ技術や公開鍵認証技術を生かして製品を開発し、2015年5月には製品を発売する予定である。

 スマートロックは、スマートフォンやタブレットを使って玄関などの鍵の開け閉めができるハードウエアおよびサービスで構成する。鍵を一時的に来訪者とシェアすることなどができる。Qrioのスマートロックはサムターンカバー型として「世界最小」をうたっており、LINEやFacebookなどのメッセージ機能で鍵のシェアができるとしている。

 同日よりサイバーエージェントが運営するクラウドファンディングサイト「Makuake」でスマートロックの資金調達も開始しており(写真)、鍵の個数などが異なる1万2000円から11万2500円のコースを用意している。Makuakeのページからスマートロックの詳細を確認できる。なおソニーは文字盤とベルトに電子ペーパーを用いた腕時計の開発プロジェクトでもMakuakeを利用している(関連記事)。

写真●ソニーとWiLの合弁会社がスマートウォッチ事業。クラウドファンディングサイトで資金調達も開始
写真●ソニーとWiLの合弁会社がスマートウォッチ事業。クラウドファンディングサイトで資金調達も開始
[画像のクリックで拡大表示]

 合弁会社となるQrioの資本金は3億3350万円で、出資比率はWiLが運営するファンドが60%、ソニーが40%。なおソニーはWiLのファンドにも出資している。本社はWiL日本法人の所在地に置く。代表取締役はWiLのGeneral Partnerである西條晋一氏が就く。取締役はWiL CEOの伊佐山元氏、ソニー RDSプラットフォーム 研究開発企画部門長の海老澤 観氏、同 新規事業創出部 専任部長の小田島 伸至氏の3人。監査役はソニーグループの連結会計を担当する二階堂 昌吾氏。役員を除く従業員は当初8人で、うち2人がソニーからの出向となる。