全世界で稼働中のスーパーコンピュータの演算性能を集計するTOP500プロジェクトは2014年11月17日、米国ニューオーリンズで開催中のHPC国際会議「SC14」で最新のランキングを発表した。首位の中国国防科学技術大学(NUDT)「天河2号」、4位の理化学研究所「京」を含め、トップ10の顔ぶれにほぼ変動はなかった。

 2013年6月に天河2号が首位に躍り出て以来、トップ5のランキングは固定化している。この上位層に大きな変動があるのは、2016年~2018年頃になりそうだ。まず中国は2015年後半~2016年、天河2号にインテルのアクセラレータ「Xeon Phi」の最新版「Knights Landing」を適用する計画。これにより、演算性能を現行機の約3倍となる100ペタFLOPSに増強するとみられる。

 米国では、オークリッジ、ローレンス・リバモア、アルゴンヌの各国立研究所が2017年~2018年までに100~200ペタFLOPSのスパコンを共同調達する「CORAL計画」が進行している。このうちオークリッジとローレンス・リバモアには、米IBMが米エヌビディア、米メラノックスの協力のもと、スパコンを構築する(関連記事:IBM、米エネルギー省のスパコン調達で3億2500万ドルの契約獲得)。ピーク性能は100ペタFLOPS超で、2017年から2018年の納品を目指す。

 日本では現行の「京」を増強する具体的な計画はないが、2020年にエクサ(1000ペタ)FLOPS級を目指す「京」後継機の基本設計を、理化学研究所と富士通が共同で進めている(関連記事:理研、ポスト「京」の基本設計事業者に富士通を選定)。