写真◎左からORNLのThom Masonディレクタ-、IBM研究部門のJohn E. Kelly III上級バイスプレジデント兼ディレクター、LLNLのBill Goldsteinディレクター(出所:米IBMニュースリリース)
写真◎左からORNLのThom Masonディレクタ-、IBM研究部門のJohn E. Kelly III上級バイスプレジデント兼ディレクター、LLNLのBill Goldsteinディレクター(出所:米IBMニュースリリース)
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 米IBMは現地時間2014年11月14日、米エネルギー省(DOE)から次世代スーパーコンピュータ調達に関する3億2500万ドルの契約を獲得したと発表した。米NVIDIAおよび米Mellanoxと協力し、DOEのオークリッジ国立研究所(ORNL)とローレンスリバモア国立研究所(LLNL)向けのスーパーコンピュータを構築する。

 DOEは今年2月、同省が所有する3カ所の国立研究所における共同の次世代スーパーコンピュータ導入プロジェクト「CORAL(Collaboration of Oak Ridge, Argonne, and Lawrence Livermore)」を立ち上げた。今回のIBMとの契約はその一環。残るアルゴンヌ国立研究所(ANL)向けの契約については後日発表する。

 DOEは、ORNLに新たに導入するスーパーコンピュータ「Summit」とLLNLに新たに導入するスーパーコンピュータ「Sierra」を、技術や科学、および国防関連の研究開発に使用する。それぞれ現在稼働しているシステムの5倍以上と7倍以上の性能を見込んでいる。

 新たなシステムは、IBMのデータセンター向け「Power」アーキテクチャと米NVIDIAの「Volta」GPUアーキテクチャをベースに、米Mellanoxの接続技術を組み合わせる。IBMによれば、SummitとSierraともピーク時のパフォーマンスは100P(ペタ)FLOPSを超え、「従来システムと比べ最大10倍のパフォーマンスを提供する」という。2017年から2018年の納品を目指す。

 またDOEは、「FastForward 2」と名付けた開発プロジェクトのもと、今後10年間の大規模コンピューティング開発に必要な技術研究に1億ドルを投じることも明らかにした。同プロジェクトは、DOEの国家核安全保障管理局(NNSA)とIBMおよびNVIDIA、米AMD、米Cray、米Intelが中心となって進める。

[発表資料(IBMのプレスリリース)]

[発表資料(DOEのプレスリリース)]