米eMarketerが現地時間2016年3月23日に公表したインターネット広告市場に関するリポートによると、米Yahoo!の2016年におけるネット広告収入は28億3000万ドルとなり、前年実績から13.9%減少する見通し。これにより同社の広告収入シェアは前年の2.1%から1.5%に縮小すると予測している。

 一方で、米Googleと米Facebookの広告事業はネット広告市場の成長とともに拡大する見通し。Googleの2016年におけるネット広告収入は前年比9.0%増、Facebookは同31.0増で推移すると、eMarketerは見ている。

 eMarketerによるとYahoo!は、検索広告とディスプレイ広告がともに減少する見通し。その2016年における推計収入は検索広告、ディスプレイ広告ともに14億1000万ドルで、検索広告は前年比12.7%減、ディスプレイ広告は同15.1%減で推移するという。これにともないYahoo!の広告収入シェアは、検索広告が1.6%へ、ディスプレイ広告が1.7%へと縮小するとeMarketerは予測している。

 Yahoo!は今年2月の決算発表時に、「Mavens」(モバイル、ビデオ、ネイティブ、ソーシャル広告の総称)と同社が呼ぶ中核事業に引き続き注力する意向を明らかにしたが、eMarketerは、Yahoo!の事業規模は縮小し、同社は今後厳しい市場競争に直面する、と指摘している(関連記事:巨額赤字の米Yahoo!がスリム化へ、非戦略的資産の売却も検討)。

 なおeMarketerがまとめた2015年の企業別検索広告収入ランキングは、Googleの439億8000万ドルが首位で、このあと中国Baidu(百度)の69億1000万ドル、米Microsoftの24億8000万ドル、Yahoo!の16億2000万ドル、中国Sohu(捜狐)の4億7000万ドルと続いた。

 また2015年の企業別ディスプレイ広告収入ランキングは、Facebookの170億8000万ドルが首位で、これにGoogleが90億7000万ドルで次いだ。3位以降は、中国Alibaba Group(阿里巴巴集団)の65億ドル、Baiduの21億8000万ドル、米Twitterの19億9000万ドル、Yahoo!の16億7000万ドル、Sohuの5億ドルと続いた。

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