米IDCは現地時間2015年2月2日、世界のタブレット端末市場に関する調査結果(速報値)を公表した。それによると2014年第4四半期(10~12月)の出荷台数は7610万台となり、前年同期から3.2%減少した。タブレット端末の四半期出荷台数が前年割れとなるのは、米Appleが初代「iPad」を発売した2010年以来初めてだという。

 2014年第4四半期のメーカー別の出荷台数は、Appleが2140万台(市場シェアは28.1%)で首位を維持した。これに韓国Samsung Electronicsが1100万台(シェア14.5%)で次ぎ、そのあと中国Lenovo Group(聯想集団)の370万台(同4.8%)、台湾ASUSTeK Computer(ASUS)の300万台(同4.0%)、米Amazon.comの170万台(同2.3%)と続いた。

 このうち、Appleが前年同期比17.8%減となるなど、Lenovo以外の出荷台数はいずれも前年割れとなった。Appleは初代iPad miniなど旧モデルの販売を継続し、最低価格を249ドルに抑えるなどして製品ラインアップを拡充した。だがiPadの販売に拍車をかけるまでには至らなかったと、IDCのシニアリサーチアナリスト、Jitesh Ubrani氏は指摘している。

 Samsungの出荷台数は前年同期比18.4%減で、減少幅はAppleよりも大きかった。同社は中・高価格帯の分野に力を入れる方針を示している。だがその方針が、今のタブレット端末の市場環境に適さないことを低価格端末メーカーが証明しつつあると、Ubrani氏は述べている。

 米Amazon.comの出荷台数は前年同期比69.9%減で、4社の中で最も落ち込みが激しかった。同社は9月末に「Fire HDX 8.9」「Fire HD 6」「Fire HD 7」を市場投入したが、年末商戦の販売は振るわなかった。

 一方、Lenovoの出荷台数は前年同期から9.1%増加した。低価格タブレットをはじめとする同社製品は、アジア太平洋地域市場に深く根差していると、IDCは指摘している(関連記事:[データは語る]2014年Q4の世界PC市場、上位メーカーの出荷台数が市場平均上回る)。

 IDCが併せて公表した2014年のタブレット年間出荷台数は2億2960万台で、前年から4.4%増加した。タブレット市場は低迷しているものの、2015年もプラス成長は続くとIDCは見ている。米Microsoftの新しいOS、大型画面への移行、プロダクテビティーソリューションの登場、ジェスチャーインタフェースなどの新技術が、市場成長を支えるとIDCは見ている。

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