中国Alibaba Group(阿里巴巴)のJack Ma(馬雲)会長が米Appleとの決済分野での提携に関心を示していると、複数の米メディア(Wall Street JournalFortuneCNETなど)が報じた。

 Ma会長は米カリフォルニア州で現地時間2014年10月27日に開幕したWall Street Journal主催の技術関連会議「WSJ.D Live」に登場し、インタビューに答えた。同氏のオンライン決済事業Alipay(支付宝)が米Appleの決済サービス「Apple Pay」と連係する可能性について、「一緒に何かできるのではないかと考えている」と述べた。

 Ma会長によれば、Alipayはすでに3億人のアクティブユーザーを抱えている。一方Apple Payは、今月米国でサービスを開始した。Appleの「iPhone」や「iPad」に搭載されている指紋認証センサー「Touch ID」と連係する。

 AppleのTim Cook最高経営責任者(CEO)は同日夜に同会議でのインタビューで、今週中にMa会長と会い、提携の可能性について話し合う予定であることを明かした。Cook氏は「AlibabaはAppleが手を組みたいパートナーとしての要素をすべて備えている」と述べたが、決済分野で協力するかどうかは明言しなかった。

 またMa会長は、米国でのECに大きな事業機会を見出しているとも述べた。Alibabaは6月に米国向けECサイト「11 Main」のベータサービスを開始している(関連記事:Alibabaが米国でECサイト「11 Main」のベータサービスを開始)。

 米eBayを買収する気はあるかと問われると、「eBayは素晴らしい企業だ。多くの優れた資産と優れた顧客を持ち、米国民に愛されている」と述べた上で、「売買について考えるのは時期尚早だと思う」とした。

 さらにeBayが分社化を発表したオンライン決済事業PayPalについて聞かれると、「私にはAlipayがある」と答えた。