米HPのWebサイト
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 米Hewlett-Packard(HP)がパソコン/プリンター事業を分社化する計画だと複数の海外メディア(米New York Timesや米Re/codeなど)が米Wall Street Journalの記事を引用し、現地時間2014年10月5日に伝えた。

 それによると、HPはパソコン/プリンター事業を、法人向けハードウエア/サービス事業から切り離し、別会社にする見通し。HPはこの分社化計画をまもなく発表する予定で、早ければ10月6日(現地時間)にも発表があると、事情に詳しい関係者は話しているという。

 これにより、現在パソコン/プリンター事業のエグセクティブバイスプレジデントを務めているDion Weisler氏が、新たなパソコン/プリンター会社の最高経営責任者(CEO)に就任する。HPの現社長兼CEOで会長も務めるMeg Whitman氏は、今後法人向けハードウエア/サービス会社のCEOとパソコン/プリンター会社の会長に就く。またPatricia Russo取締役がハードウエア/サービス会社の会長を務めるという。

 HPでパソコン事業の分社化計画が持ち上がったのはこれが初めてではない。同社では、Leo Apotheker前CEOが、クラウドコンピューティングやソフトウエアなどを柱とした事業戦略を打ち出し、その一環としてパソコン事業を分離する方針を明らかにした。だが、当時の投資家は同氏の大胆な戦略変更などに不信感を募らせた。

 Apotheker氏辞任後、Meg Whitman CEOは、この事業分離化計画の中止を決定。その後パソコン事業とプリンター事業を統合した「プリンティング・パーソナルシステムグループ」を設置した(関連記事:HP、パソコンとプリンター事業の統合を正式発表、コスト削減・業務効率化狙う)。

 HPではWhitman CEO体制の下、大規模なリストラ策を実施するなど、経営の立て直しを進めている。だがWall Street Journalが引用した米IDCのリポートによると、HPは昨年、パソコンの世界出荷台数で中国Lenovo Group(聯想集団)に首位の座を奪われた。また2013会計年度通期のパソコン/プリンター事業の売上高は、前年比7.1%減少した。この減少率は、同社全体の売上高減少率、同6.7%を上回った(関連記事:HPの8~10月期決算は3%減収だが14億ドルの黒字、アナリスト予測を上回る)。