米Hewlett-Packard(HP)は現地時間2012年3月21日、パソコン事業とプリンター事業を統合すると発表した。消費者向け、法人向けパソコンを扱う「パーソナルシステムグループ(PSG)」と、同じく消費者向け、法人向けプリンター事業を手がける「イメージング・プリンティンググループ(IPG)」を統合し、新たに「プリンティング・パーソナルシステムグループ」を設置する。統合後の新グループは現PSG担当上級副社長、Todd Bradley氏が統括し、これまでIPGを率いてきた上級副社長Vyomesh Joshi氏は同社を去る。

 直近の四半期(11~1月)におけるPSGの売上高は88億7300万ドル、IPGは62億5800万ドルで、両部門を合わせるとHPの全売上高の半分を占める規模になる。同社は新体制の下、販売やサプライチェーン、顧客サービスを効率化し、コスト削減も図るとしている。

 またHPは「法人向けサーバー/ストレージ/ネットワーキング(ESSN)」部門を「エンタープライズグループ」に改称し、これに「グローバル・アカウントセールス」部門を統合すること、全事業部門のマーケティング機能を統合し、Marty Homlish上級副社長兼最高マーケティング責任者(CMO)が指揮を執る組織体制とすることも明らかにした。

 同社では2011年8月、Leo Apotheker前最高経営責任者(CEO)がクラウドコンピューティングやソフトウエアなどを柱とした事業戦略を打ち出し、その一環としてPSGのスピンオフ(分離独立)を検討すると発表していたが、Meg Whitman CEO兼社長が2011年10月に同計画を撤回、PSG事業などのてこ入れ策を検討していた(関連記事:HP、パソコン事業を分離せず、「社内にとどめるメリット大きい」)。

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