写真1●用途を四つに分類し、それぞれに最適化したハードウエアを提供する戦略
写真1●用途を四つに分類し、それぞれに最適化したハードウエアを提供する戦略
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写真2●汎用ビジネスアプリケーションに向けた品種のうち、上位品で1Uサイズの「DL360 Gen9」
写真2●汎用ビジネスアプリケーションに向けた品種のうち、上位品で1Uサイズの「DL360 Gen9」
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写真3●HPC、Webスケールアウトの用途に向けるモジュラー型の「XL230a Gen9」
写真3●HPC、Webスケールアウトの用途に向けるモジュラー型の「XL230a Gen9」
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写真4●仮想化とクラウドに向けるブレード型の「BL460c Gen9」
写真4●仮想化とクラウドに向けるブレード型の「BL460c Gen9」
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 日本ヒューレットパッカード(HP)は2014年10月2日に、x86サーバーの新製品「HP ProLiant サーバー Gen9」を発売した。米インテルが2014年9月に発表した「Haswell」世代のサーバー向けプロセッサ「Xeon E5-2600 v3」(関連記事:米インテル、DDR4メモリー対応の新型Xeon E5 v3を発表)を採用したもの。

 日本HPは、ITシステムの用途(ワークロード)を「汎用ビジネスアプリケーション」「ミッションクリティカル」「ビッグデータ、HPC、Webスケールアウト」「仮想化、クラウド」の四つに分類し、それぞれに最適化したハードウエアを提供していく戦略を打ち出した(写真1)。ProLiant サーバー Gen9はこの戦略に沿った最初のサーバー製品。「今回の新製品はGen9シリーズの第1弾。今後もワークロードに最適化した製品を拡充していく」(日本HP 執行役員 エンタープライズグループ事業統括 HPサーバー事業統括本部長の手島主税氏)。

 汎用ビジネスアプリケーション向けに提供するのが、ラックマウント型の「DL380 Gen9」「DL360 Gen9」「DL180 Gen9」「DL160 Gen9」と、タワー型またはラックマウント型で最大144Tバイトのストレージを内蔵できる「ML350 Gen9」の5機種である(写真2)。DL380とDL360、ML350が1台当たり最大36コアの上位品で、DL180とDL160が1台当たり最大24コアの低価格品。ラックマウント型の機種では電源ユニットの小型化で拡張スロットを増やしたり、RAIDコントローラーとネットワークコントローラーをマザーボードに搭載して拡張スロットを節約したりといった改良を加えた。最大45℃環境での動作を保証する。

 ビッグデータ、HPC、Webスケールアウト向けには、2014年8月に発表したHPC用サーバー「Apollo 6000 System」(関連記事:HP、水冷スパコンなどHPC向けサーバーの新ファミリ「Apollo」を発売)に用いるモジュラー型サーバートレー「XL230a Gen9」を用意した(写真3)。最大16コアのXeon E5-2600 v3を1台当たり2個備えており、5Uのきょう体に10台を搭載できる。こちらも最大45℃環境での動作を保証する。

 仮想化、クラウド向けには、ブレード型の「BL460c Gen9」を提供する(写真4)。最大36コアの構成を選択できる。ストレージインタフェースを12Gビット/秒のSASに、ネットワークインタフェースを20Gビット/秒のFlex-20に対応させて、それぞれ2倍の入出力性能を持たせた。

 日本HPが前世代のx86サーバーで提唱した、サーバー管理を効率化する「自働サーバー」のコンセプトは継承する。前世代品に盛り込んだ、セットアップ、監視、ログ収集、サポートのための各種機能を引き続き搭載するという。また、HPのハードウエアを統合管理するソフトウエア「HP OneView」(関連記事:日本HP、ハードウエアの設定が自動化できる管理ソフト「HP OneView」を発表)のGen9対応版を2014年末に出荷する予定。