写真●Spoonの概要(出典:双日システムズ)
写真●Spoonの概要(出典:双日システムズ)
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 双日システムズは2014年8月4日、本来はインストールが必要なWindowsアプリケーションをOSにインストールせずに使えるようにするソフトの新製品「Spoon」(写真)を発表、同日提供を開始した。同社が以前から取り扱っているソフト「VMware ThinApp」と同等の機能を提供するソフトである。ThinAppと比べた主な違いは、1ユーザー単位で細かくライセンスを拡張できるなど、ライセンス体系が柔軟になっていること。開発会社は、米Code Systems。

 Spoonは、VMware ThinAppと同等の機能を提供する、アプリケーション仮想化ソフト(ポータブル化ソフト)である。本来はインストールが必要なアプリケーションを、OSと切り離してポータブル化する。レジストリーやファイルシステムを仮想化した環境とともに、アプリケーションを単一の実行形式ファイルに固める仕組み。ポータブル化したアプリケーションは、USBメモリーなどで持ち込んで、そのまま実行できる。

 SpoonやThinAppを応用すると、Windows XPやWindows Server 2003などの旧式OSの上でなければ動作しないアプリケーションを最新のWindows OSの上で動作させることができる。この理由は、ポータブル化によって、異なるバージョンのWebブラウザーやオフィスソフトなどを、単一のOSの上でDLLを競合させることなく同時に利用できるからである。実際に同社は、ThinAppを利用したWindows XP移行サービスなどを提供している(関連記事:双日システムズがポータブル化によるXP移行を強化、IE6代替ブラウザでライセンス問題を回避)。

 同社は今後、ThinAppとSpoonを売り分けていく。Spoonの想定ユーザーは大きく分けて2種類。(1)Citrix XenAppの旧版(バージョン5.5)を使っているユーザーと、(2)自社開発のパッケージソフトを外販する事業者である。また、これら以外のユーザー企業においても、1ユーザー単位で追加できるなど、ライセンスが柔軟になっている。