双日システムズは2013年5月10日、Windows XPからWindows 7/8への移行を支援するSIサービス「アプリケーション仮想化サービス」を強化し、Internet Explorer(IE)互換ブラウザーを開発し、Internet Explorer 6の代わりに利用できるようにした。これにより、米MicrosoftのOSライセンスポリシーに違反することなく、Windows XP(Internet Explorer 6)ベースのアプリケーションをWindows 7/8上で使い続けられるようにした。

 前提となるサービスは、本来はインストールが必要なWindowsアプリケーションを、インストールせずに使えるようにするもの(関連記事:双日システムズ、ThinAppで業務アプリをポータブル化するSIサービスを開始 )。これを使うと、異なるバージョンのアプリケーションを、DLLをコンフリクト(競合)させることなく同時に利用できるようになる。Windows XP用のアプリケーションをWindows 7/8上で動作させられるため、Windows XPからWindows 7/8への移行手段として利用できる。

 OSへの事前インストールを不要とするための要素技術としては、米VMwareのデスクトップ仮想化ソフト「VMware View」が備えるソフトウエア機能「ThinApp」を利用する。ThinAppでは、本来はインストールが必要なアプリケーションを、OSと切り離してポータブル化する。レジストリやファイルシステムを仮想化した環境とともに、アプリケーションを単一の実行形式ファイルに固める仕組み。

 双日システムズでは、ThinAppを用いたアプリケーション仮想化サービスを、2012年9月から提供してきた。今回、これを強化し、IE6の代わりとなるIE互換ブラウザー「IEコンポーネントブラウザ」を開発、これを提供できるようにした。IE6にひも付いたクライアントアプリケーションを、IE6と一緒にポータブル化する際に、IE6の代わりにIE互換ブラウザーを利用できる。

 IE6の代わりにIE互換ブラウザーを使う背景には、米MicrosoftのOSライセンスポリシーがあるという(Microsoft Knowledge Base文書番号:2020599:Windows の単一インスタンス上での Internet Explorer の複数バージョンの実行はサポートされていません)。このポリシーを順守する場合、ThinAppでIE6環境をポータブル化してWindows 7/8上で動作させることができなかったという。このポリシーを回避するための措置として、今回IE互換ブラウザーを開発した。互換ブラウザーであればIE6をそのまま使うわけではないため、ポリシーを順守できるという。