「カードビジネスにこだわるつもりはない」。こう言い切るクレディセゾンの林野宏社長は、“サービス先端企業”になるべく、ITベンチャーとの提携にも積極的だ。
ビジネスモデルを柔軟に変える企業だけが成長を続けられるとして、ITを駆使した決済サービスやソリューションを武器に、法人市場開拓へまい進する。

(聞き手は吉田 琢也=日経コンピュータ 編集長)

ネット会員が1000万人超と国内カード会社で最も多く、競合に先駆けてネットビジネスも展開しています。その狙いは。

林野 宏(りんの ひろし)氏<br>1965年、埼玉大学文理学部卒業後、西武百貨店に入社。人事部、企画室、営業企画室マーケティング部長などを経て、82年、西武クレジット(現クレディセゾン)にクレジット本部営業企画部長として転籍。83年に取締役、2000年より代表取締役社長。趣味は音楽、読書、マージャン、ゴルフなど多彩。京都府生まれの71歳。(写真:村田 和聡)
林野 宏(りんの ひろし)氏
1965年、埼玉大学文理学部卒業後、西武百貨店に入社。人事部、企画室、営業企画室マーケティング部長などを経て、82年、西武クレジット(現クレディセゾン)にクレジット本部営業企画部長として転籍。83年に取締役、2000年より代表取締役社長。趣味は音楽、読書、マージャン、ゴルフなど多彩。京都府生まれの71歳。(写真:村田 和聡)

 クレディセゾンの前身は1951年に設立された“月賦百貨店”でした。「企業の寿命は30年」と言われますが、私はまさに設立後30年が経過した1982年にこの会社へやって来た。それからさらに30年がたち、今がまさに会社を変えるタイミングです。

カードビジネスにこだわらない

 私は2000年に社長になった時、「サービス先端企業」を作ろうと決めました。最初から従来のクレジットカードビジネスにこだわる気はなかったのです。

 2013年頃から「コラボレーション経営」を前面に出し、様々な会社と提携してきました。今年はこの取り組みをさらに進めてビジネスモデルを大きく変え、五つの「コアビジネス」を確立することに注力しています。「カード」「ソリューション」「ネット」「ファイナンス」そして「海外」。これが五つのコアビジネスです。