2015年10月の内閣改造を機に政府が強く押し出す「一億総活躍社会」。IT業界でも、かつては大手コンサルティング会社やシステムインテグレーターに勤めていたものの今は独立している個人コンサルタント(フリーランスのコンサルタント)などの活躍に期待がかかる。彼らと、現場の人材を求めるシステムインテグレーターなどを橋渡しするサイト「フリーコンサルタント.jp」などを運営するみらいワークス(東京・渋谷)の岡本祥治代表取締役社長に、フリーランスが活躍できる環境づくりについて聞いた。

(聞き手は西村 崇=日経情報ストラテジー


写真●みらいワークスの岡本祥治代表取締役社長
写真●みらいワークスの岡本祥治代表取締役社長

フリーコンサルタント.jpを立ち上げたきっかけは何でしたか。

岡本氏 私自身が個人コンサルタントをしながら、地域活性化を通して日本を元気にしようと新規事業をスタートさせました。それまで5年ほど在籍していたアクセンチュアを離れた後の2007年のことです。

 ところが当時起こったサブプライムローン問題やその後のリーマンショックで景気が低迷し、個人コンサルタントとしても案件を受注するのが難しくなり、新規事業もままならない状況に陥りました。私だけでなく、同世代で起業を目指し、大手コンサルタント会社を離れた優秀な個人コンサルタントたちも同じ境遇にいたのです。

 「優秀な人たちが個人として十分に活躍しきれていないことは非常に惜しいこと。彼らが活躍していないこと自体、日本経済にプラスになっていない」。そう考えまして、個人で頑張っている人たちと、日本の経済を動かしている大企業の橋渡しをしたいと思い立ちました。

 そこで2012年に今の会社を立ち上げて、彼らが活躍できるようにと、大手システムインテグレーターやコンサルティング会社などからの案件を受け付け、個人コンサルタントに提案するフリーコンサルタント.jpをスタートさせました。2800人の個人コンサルタントが登録しています。毎月3桁の案件依頼をいただいています。