「クルマいじりが趣味」という鈴木社長
「クルマいじりが趣味」という鈴木社長
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 自動車会社のマーケティング担当からネット企業の社長へ。異色の経歴の持ち主が率いるネット企業がある。GMOインターネットグループでネット販促や集客の支援を手掛けるGMO TECHだ。主力事業は成果報酬型のスマートフォン広告などの開発と販売で、創業から9期連続で増収増益を達成した。社長の鈴木明人氏は自動車会社での経験から「製品の競争力を生み出すのはエンジニアの力と実感している」と話す。

(聞き手は玉置 亮太=日経コンピュータ


スマートフォン向けのネット広告を中心に事業を手掛けていますね。

 インターネットを使った集客を、テクノロジーで支援するのが当社のミッションです。(複数のメディアへ広告をまとめて配信する仕組みである)スマートフォン向けの「アドネットワーク」をはじめ、インストール数に応じて広告料金が決まる「CPI(コスト・パー・インストール)」型のアドネットワーク、小売業向けのアプリ開発支援サービスなどです。

自動車メーカー出身という異色の経歴をお持ちです。

 三菱自動車工業と日産自動車で、それぞれ製品のマーケティングを担当しました。自社の製品の良さ、顧客や市場、社内でのお金の流れなど、社会人として欠かせない経験をつみました。

 リクルート(当時)を経て2006年に前身となる会社を創業しました。自動車会社で学んだマーケティングを、当時急速に成長していたインターネット分野で生かしてみようと考えたからです。当初の事業はWebページの製作受託やSEO(検索エンジン最適化)サービスでした。

 09年にGMOインターネットグループに入る際には、熊谷正寿社長に自分から面会の約束を取り付けて、自分のやりたいことを売り込みました。その席で「5年以内に上場を目指します」と宣言してしまいました。上場のイメージなんて、当時はさらさらなかったんですけど(笑)。ただ、結果として14年に東証マザーズに上場できたので、ひとまず約束を果たせました。

競争の激しいネットマーケティング業界で、社長として最も重視していることは。

 個々のエンジニアが持っている能力を、いかに発揮させるかということです。創業以来9期連続で増収増益を達成できているのも、エンジニアによるモノ作りを重視し、エンジニアの技術力や創造性を生かせるよう、環境を整備することを心掛けてきたからと考えています。