今の若いSEには落ちこぼれ的な三流SEになってほしくない。ここでいう三流SEとは、30代後半くらいから後輩SEや営業などからあまり頼りにされなくなり、日ごろイキイキと仕事をしていないようなSEを意味する。

 そんなSEは往々にして仕事に受け身で愚痴っぽく、周りの人にとって存在価値が薄い。若いSEがそんなSEにならないためには、若い時代に仕事に関わる物事に関して正しい考え方を持つことが不可欠である。

 仕事に関わる物事についての考え方とは「SEの職務とは何か」「SEにとってITとは何か」「SEとしてビジネスや顧客や営業をどう考えるか」などを指す。筆者はこの連載で、それらSEが持つべき考え方について「三流SEにならないための20代SEへのエール」と題して書いている。前回は、自分の考えや意見を言うことの大切さを取り上げた。

 今回で4回目である。若いSEがITを身につけ、テクニカルスキルを上げるには日ごろどんな心構えや考え方をするべきか、それについて述べたい。

第四の原則
ITに強くなる秘訣は「寝る前の1ページ」と「自分で調べてから聞く」

 若いSEは仕事をしていると、誰しも「この製品の○○機能の使い方がよく分からない」「こうコーディングしたが、うまくいかない」「パラメーターをこう設定したがうまく動かない」など、いろんな問題にぶつかる。時には上司や先輩SEに叱られることもある。

 そして誰しも「ITにもっと詳しくなりたい」「もっと強くなりたい」「スキルを上げたい」と思う。またITに詳しい先輩SEを見ると「自分も○○さんのようなSEになりたい」と、あこがれる。

 そんなこんなで若いSEはITに強くなるために、勉強したり研修に出たりするなどいろんな努力をする。これまで分からなかったことが分かると「やったー!」と達成感も味わう。そうやって若いSEはシステムや製品の機能や使い方、コーディングの仕方、パラメーターの設定の仕方などを段々と身につけ、成長する。若いSEはおおよそ、このような道を歩んでいる。

 ある意味で、若いSE時代はITに強くなるための闘いである。言うまでもないが、ITはSEの生命線である。ITに弱すぎると、SEとしては通用しない。したがって、SEにとってITに関する技術力を身につけることが絶対条件である。少なくとも仕事に支障のないスキルレベルは身につけなければならない。