ITproの人気コラム「木村岳史の極言暴論!」の著者がナマで講演する「極言暴論ライブ!」。この特集では2015年12月に開催した「日経コンピュータ・サミット」での極言暴論ライブ『デジタル時代に用済みとなるIT部門とSIer』の内容を、全6回の記事に分けてお届けしている。

 第1回では、「IT部門は『終活』せよ」「SIerの余命は5年」と著者が暴論を述べる理由として、少子高齢化とデジタル化という日本企業を取り巻く環境の変化などを挙げた。10年後、15年後に日本企業はどうなっているのか。木村は、クラウドもiPodもなかった2000年に“タイムスリップ”することで、ビジネスの全てが変わり得ることを説く。(ITpro)


 日本企業の経営者の問題意識の根底にあるのは、これまでお話しした通り、日本で急速に進む少子高齢化とグローバルでのデジタルの潮流です。このままでは日本市場は縮小するから、海外に打って出よう。あるいはデジタル化の波に乗って、自らのビジネスをイノベーションしなければと考えているわけです(スライド1)。

スライド1
スライド1
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 ご存知の通り、金融機関の経営者はFinTech(金融×IT)で大騒ぎですよね。金融機関の場合、ITがビジネスの要ですから当然なのですが、製造業で今までITに関心の無かった社長さんまで、「うちのデジタル化への取り組みはどうなっている」なんて言い出し、IT部門の方は困っちゃっていますよね。

 例えば今、自動車産業では自動運転車の開発がヒートアップしています。自動運転車ってソフトバンクのPepper(ペッパー)と同じです。つまりロボット。単に安心・安全なクルマではありません。もっと言えば、自動運転車はクラウドの端末になるわけです。

 そうすると自動車メーカーはクラウド端末メーカーにもなるわけで、クラウドを活用したサービスも考えていかなければならない。そうでないとグーグルなどが参入してくれば大変なことになる。皆さん、そう思うわけです。