Oracle OpenWorldに続いて、米国ベイエリアのIT企業を数社訪問しました。オラクルのクラウドシフトはハードウエア製品や、ハイパーバイザーなどソフトウエアソリューションの戦略に大きな影響を及ぼすはずです。これからのIT業界の競争が気になります。

 今回訪問した1社がデル テクノロジーズです。デルEMCのバーティカル戦略を聞かせてもらおうと、同社のEBC(エグゼクティブ・ブリーフィング・センター)にテクノロジー担当バイスプレジデント(VP)のジョシュア・バーンシュタイン(Joshua Bernstein)さんを訪ねました。

 つい数カ月前にもEMCのEBCを訪問したのですが、そのときは旧EMCの施設に置かれていました。今回はデルの施設にEBCが移転して新装開店となっていました。私たちは新設されたEBCにやってきた、日本からの最初の訪問客だということです。

(提供=123RF)
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 最初のうち、私はテクノロジー担当VPがどのような役割を果たしているのかを分からないまま、ヴイエムウェアやピボタルを傘下に持つデル テクノロジーズ全体のクラウド戦略を議論したいと考えていました。

楠「デルはいろいろな企業を傘下に抱えていて、一見するとバーティカルのように思えます。けれど、ヴイエムウェアはサーバーベンダーだったらどことでも付き合っていますし、傘下の企業が連携してバーティカルな戦略を取っているようには見えません」

バーンシュタイン氏(以下、JB)「そうですね、ピボタルはどこの誰とでも付き合いますしね。でも、そんなことが聞きたいのですか?」

 デルの幹部なのに、私が吹っかけた戦略論争にまったく乗ってきません。