ビジネス部門の人達とシステムの話をすると、いつも感じることがあります。その多くがシステムを「画面」のことだと思っていることです。
「iPhoneはすごいな。何でもできる。情報も入手できるし、クルマも呼べる」
確かにそうなんですが、そもそもあなたのiPhoneの向こうには概ねサーバーがあってあなたの要望をかなえる処理を担っています。
「いろいろなことができる」のはアップルが「iTunes Store」を介したアプリのエコシステムを用意しているからです。クルマを呼べるのは、システムの外にあるタクシー会社やUberのドライバーネットワークのようなエコシステムが支えているからです。
画面の向こうにはサーバーやネットワークやソフトウエアがあるだけではありません。エコシステムを支える様々な会社が作り上げたビジネスモデルが存在するのです。
これを理解せずに画面だけを見て「同じものが欲しい」と言われても、ITのプロとして期待に沿うことができません。
前回のコラム(関連記事:炎上プロジェクトはどうして復活できるのか―伝説のプロマネが会社を救う)でお話しした重要顧客の新ビジネス向けシステムの開発がこじれて炎上したのも、ビジネス部門とIT企業の認識のギャップが遠因でした。