ソニーモバイルコミュニケーションズの戦略が明らかになった。ITproでは「『構造改革後にIoTなど挑戦を』ソニーモバイルが事業方針を説明」との記事を公開している。

 細かな数字は記事を参照していただきたいが、売上高の約9割をスマートフォンが生み出し、売り上げに占める比率は、欧州、アジア・太平洋地域、日本が高い。一方、米国や中国の比率は低い。市場規模の大きな米国や中国ではシェアも1%以下だ。世界のスマートフォン市場では低価格帯の製品の伸びが著しいが、ソニーモバイルは差異化が難しいとして今後も高価格帯の製品に注力、利益率を高めて安定した収益を確保する、という。

 気になったのは質疑応答での発言だ。他社製の高価格帯モデルとの違いを打ち出すために数年かけて仕込む、としているのだが、その数年間で市場の様相がすっかり変わってしまう恐れはないのか。例えば昨今の世界のスマートフォン市場で大人気の「セルフィー(自分撮り)」は、テクノロジーの進化とは別のところから生まれたトレンドだ。

 もちろん、高付加価値、高価格帯製品で利益を得るとの平凡な答えだけで乗り切れるはずがないことは重々承知しているだろうし、発表会の質疑応答で手の内全てをさらけだすこともしないだろう。ソニーモバイルが次の「セルフィー」を見い出して、どんな驚きのある製品を生み出すのかを楽しみに待ちたい。