ソニーは2014年11月25日、品川本社で投資家向け説明会「Sony IR Day 2014」を開催し、事業部門ごとの業績について解説した。モバイル事業については、11月16日付けでソニーモバイルコミュニケーションズ新社長に就任した十時裕樹氏が登壇。モバイル事業の構造改革と今後の事業計画について、概要を発表した(写真1)。

写真1●ソニーモバイルコミュニケーションズ代表取締役社長兼CEOの十時裕樹氏
写真1●ソニーモバイルコミュニケーションズ代表取締役社長兼CEOの十時裕樹氏
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日本、欧州は順調だが、米国、中国での市場シェアは1%未満

 最初に十時氏は、モバイル事業の現状について解説した。2013年度の売上は1兆1918億円で、その構成比はスマートフォンが91%、タブレットが5%、その他アクセサリーが4%とした(写真2)。地域別では、欧州(34%)が売り上げに占める比率が最も高く、アジア太平洋地域(27%)がそれに続き、日本が23%を占める。米国(3%)や中国(3%)は限定的となっている。

写真2●ソニーモバイルの製品別、地域別の売上構成比
写真2●ソニーモバイルの製品別、地域別の売上構成比
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 地域別のソニーモバイルの市場シェアは、日本(1.4兆円市場)で17.5%、欧州(4.4兆円市場)で8.8%を占める。欧州内では特にフランスやロシアのシェアが高いとした(写真3)。一方、米国(5.3兆円市場)では0.7%、中国(7.5兆円市場)では0.9%との数字を明らかにした。

写真3●ソニーモバイルの地域別マーケットシェア
写真3●ソニーモバイルの地域別マーケットシェア
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高価格帯に集中、利益率を高めることで成熟市場に対応

 今後のスマートフォン市場の動向としては、「台数ベースでは1万4000円未満の低価格帯が成長率17.5%と市場を牽引、2017年度には台数ベースで56%を占める」と認めつつも、「金額ベースでは高価格帯が全体の55%を占める。当社は引き続きこの市場でポジションを確立していく」との方向性を示した。