トレンドマイクロが、米ヒューレット・パッカード(HP)傘下のセキュリティ事業からTippingPoint部門を買収すると発表しました(関連記事:トレンドマイクロ、HPの侵入防止システム事業を約3億ドルで買収へ)。買収額は3億ドル。現在の為替で約360億円です。

 11月の分社を控え、HPは売却先を探していたという報道もあったようです。TippingPointは、2015年9月30日までの1年で、売上高が1億6900万ドル(1ドル120円換算で約200億円)、営業利益が4500万ドル(同54億円)という業績を上げています。戦略的提携を結んでいた相手だといいますが、システムインテグレ―タではなく、日本のソフト会社による海外のIT会社からの買収としては屈指の規模ではないでしょうか。

 トレンドマイクロは、2015年12月期の連結売上高で1231億円、営業利益342億円を見込んでいました。TippingPointの業績が横ばいで推移すると仮定すると、年間で見て、200億円程度の売り上げ、54億円の営業利益が加わることになります。2015年5月期の連結決算が売上高1610億円、営業利益470億円だった日本オラクルとの差が一気に縮まります。

 日本企業による買収として久々に驚かされました。もっとも、トレンドマイクロの視線は国内ではなく、グローバルのライバルを見ているのかもしれませんが。