写真●2015年4月10日から予約受付を開始する「Apple Watch」
写真●2015年4月10日から予約受付を開始する「Apple Watch」
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 米Appleが2015年4月24日に発売する「Apple Watch」写真1)の予約受付開始は、米国西海岸夏時間で4月10日午前零時1分だと発表された。日本時間では同日の午後4時1分からとなる。

 今回の新製品発売に際しては、これまでの「iPhone」「iPad」とは違い、Apple直営のApple Storeやその他の量販店の前に行列ができることはない。購入にも試着にも、予約システムを使うことになりそうだからだ。確かに、200万円の時計を買う人が前日の深夜から行列に加わるなんてことは、購入体験としてあり得ない(関連記事:Apple Watchは4月24日発売、バッテリーで最大18時間駆動、200万円超モデルも)。

 Apple Watchは、まずはモノとして選ぶ楽しみがあり、その後どのように生活に溶け込んでいくのかという定着までの段階がある。その段階で重要なのは、やはりアプリだろう。これはスマートフォンが生活に浸透したときと同様だ。

アプリもiPhoneとペア

 ここから、Apple Watchに対して、二つの矛盾したことを述べようと思う。まず、Apple Watchを使う際の新しい体験が、iPhoneなしで過ごす時間だということだ。

 Apple Watchがあれば、単体でエクササイズの計測や「Apple Pay」による支払いができ、ワイヤレスで音楽を楽しむこともできる。iPhoneとペアリングした後のApple Watchは、特定の用途に限られるものの、iPhoneなしで利用できる機能があるのだ。

 「iPhoneなしのApple Watch」という一方で、残念なことに、Apple以外の開発者が作るApple Watch向けアプリは、iPhoneアプリに含んだ形で「App Store」で配信される仕組みになっている。Apple Watchアプリの主となるのはあくまでiPhoneアプリであり、iPhoneなしには成立しないのだ。そのため、「iPhoneなしのApple Watch」という使用感が定着するにはまだ時間がかかるだろう。