ソフトウエアを開発する組織の能力を定量的に表す指標が「CMMI」です。日本では、一般に「能力成熟度モデル統合」と訳されています。

 CMMIは、米国防総省が軍のシステム開発で利用するために、米カーネギーメロン大学ソフトウエア工学研究所(SEI)に要請して開発した指標「CMM」を拡張したものです。

 CMMでは、組織の能力を5段階で評価します。レベル1は、ソフト開発のプロセスが属人的で組織として管理していない「初期」状態。レベル2は、基本的なプロジェクト管理を実施している「反復可能」状態。レベル3は、開発プロセスが組織内で標準化された「定義」状態。この「定義」状態を確実に実践している「管理」状態がレベル4。「管理」状態に対して、自発的にプロセスの改善などを実施するのがレベル5の「最適化」状態です。

 CMMから派生して、人材開発能力を対象にした「P-CMM(ピープルCMM)」や、ソフトの調達能力を対象にした「SA-CMM(ソフト調達CMM)」、統合商品を開発する能力を対象にした「IPD-CMM(統合プロダクト開発CMM)」などが開発されました。これらを統合して、対象となる開発プロセスを拡大したものが、CMMIです。

(吉川 和宏=日経情報ストラテジー)

出典:日経情報ストラテジー 2003年12月号25ページより 日経情報ストラテジー