この連載では、「ダメに見せないことで評価を高める」ための仕事術を扱っている。前回までは、「言いたいことが不明、論点が絞れない、話が拡散」というネガティブ特性について説明した。ネガティブ特性は以下の通りである。

  1. 先を読まない、深読みしない、刹那主義
  2. 主体性がない、受け身である
  3. うっかりが多い、思慮が浅い
  4. 無責任、逃げ腰体質
  5. 本質が語れない、理解が浅い
  6. ひと言で語れない、話が冗長
  7. 抽象的、具体性がない、表面的
  8. 説得力がない、納得感が得られない
  9. 仕事が進まない、放置体質
  10. 言いたいことが不明、論点が絞れない、話が拡散
  11. 駆け引きできない、せっかち、期を待てない

 今回から11番目の「駆け引きできない、せっかち、期を待てない」について説明する。「駆け引きできない」とは、仕事上の交渉、調整などにおいて、「相手の出方状況に応じて自分に有利になるように処置しない、またはできない」ことを意味している。

 また、「せっかち」、「期を待てない」の二つは、ここでは同じことを意味している。すなわち「相手の出方をじっくり見て、最も有利になる局面を待って(期を待って)動くことをしない、またはできない」という行動特性を指す。

 これらは、どちらも「自分に有利になることは何かを考え、どのタイミングで、何を発するかを意識した行動する」ことの反対である。筆者は、これらの特徴を持つ人をひとまとめにして「期を待てない人」と表現している。