2年ほど前から,私たち久米繊維では「ネット担当者」や「広報担当者」のみならず,「法人営業スタッフ」もブログを書くトレーニングを重ねてきました。それは「Googleの表示順位が企業業績を左右する時代,「社員の学習力発信力を問われるオーケストラ経営時代」を見越してのことです。

 ようやく「社内月例ブログ品評会」でも各自がブログを書くのに慣れてきたことが明らかになったので,2008年冒頭から次のステップに進むことにしました。それは,「個人ブログ」の更新情報を,ご縁のあるパートナーにお知らせする「個人週刊メールマガジン」の発行です。

 この個人ブログの更新を通知する週刊メールマガジンの利点は,お金も設備もほとんど不要な上に,書く手間も管理する手間も無く,個々人が自主的に発行できるところです。

 メールマガジン×ブログというと個人向けのB2Cビジネス用ツールと思われているかもしれません。しかし,お互いに相手の顔が見えている「法人営業」において,実は絶大な効果があることが分かってきました。既に,先行する営業幹部の一人は,毎週400名近い法人取引先キーマンにメールマガジンを配信してお客様とのご縁を深めているのです。

ブログは待ち受け型:放っておいてはアクセス増えず

 ビジネスブロガーの悲願を1つ挙げるとすれば,既存のビジネスパートナーを中心として,良質な定期購読者を増やすことに尽きるでしょう。絶対的な読者数を増やすことよりも,既にお取引きの既存顧客,今後,ご縁を結びたい見込み顧客にこそ読んでもらいたいのです。

 しかしながら,ブログは言わば「インバウンドの待ち受け型」のメディアです。アクセス増加の方策は,「面白い記事を頻繁に更新する」「キーワードを意識して検索エンジン対策を行う」ことなどが主眼となります。たとえ,最初に読んでもらった時に面白いブログだと感じてもらっても,毎回,定期的に訪問していただくのは難しいわけです。特に,忙しいビジネスパーソンに継続的に注目してもらうのは至難の技です。

 もちろん,RSSリーダーに登録してもらうなどの方策もあります。しかし,まだあまり一般的ではありませんし,うまく使いこなしている人も限られるようです。

メルマガはお届け型:ブログ紹介リンクで誘導する

 そこで,「アウトバウンドのお届け型」であるメールやメールマガジンをブログと組み合わせることが重要になります。毎週,ブログの更新情報を中心とした簡便なメールマガジンを発行することで,アクセス数の増加と安定化を図ることができるのです。

 これは,週刊誌の発売日前後に,電車の中吊り広告や新聞広告,あるいはダイレクトメールで,お知らせをすることに似ています。いくら「面白い記事が満載」でも,「面白い見出しやダイジェスト」をお客様候補の目の前に提示しなければ読者が増えないのと同じ理屈なのです。

 このメールマガジンが中吊り広告以上に優れているのは,「面白い見出し」をクリックすれば,そのブログ記事にすぐジャンプして読めることでしょう。もちろん無料で読めることも忘れてはなりません。