前回は,PMとしてマネジメント力を向上させたいと考えている桧山に,我々の課がやっている,リーダーとメンバーの「チームルール」作成とその徹底の方法を説明しました。  

 その中の「思考力」のトレーニングとして,速攻思考トレーニングを毎日実施していること,そのために「思考力」トレーニングカードをチームメンバーが使っていることも説明しました。

問1
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 今回も,“仕事に役立つ7つの科目”の「(5)思考力」に関する「速攻思考」がテーマです。本コラムの最後にPDFファイルで,「芦屋式 思考力トレーニングカード2」を用意しましたので,会社の研修,教育にご活用いただければと思います。


「考えるためのヒント」をカード化

芦屋: では,このカードの使い方を教えるよ…。これは,問題解決のヒントになる基礎理論とか,格言,ちょっとしたコツのようなもののうち,僕がいままで使ってうまくいったものをカード化したものなんだ。これをヒントに考えることができるようにしている…,何かを考えるとき,何もない状態だとなかなかアイデアが浮かばないことが多いから,「考えるためのヒント」が必要になる。そのためのカードだよ。
桧山: なるほど。
芦屋:

この問題を読んでみて。

 あなたはPMです。

 システム開発プロジェクトを開始するにあたり,チームメンバーや客先担当者との関係を良くし,一体感を醸すことで,プロジェクトを円滑に運営したいと強く思っています。

 これを実現するための手段を述べてください。


こういうことはプロジェクト運営では非常に大事なことだけど,開発部の人間にこれを真剣に考える文化はないな。…考えているのかも知れないけど,真剣には考えていないと思う。
桧山: なぜ,考えないのでしょうか?
芦屋: システム開発とは違うノウハウ,思考パターンを必要とするからだよ。考えても分からないんだ…。チームメンバーや客先担当者との関係を良くし,一体感を醸すことで,プロジェクトを円滑に運営したいと思ってもそこまでだ。開発とPMの仕事は違う。開発をやっているうちは本気でこの解決策を考える必要もなかったし,考えるヒントもない。だからいつまでたっても思いつかないことになる。でも,PMならこんなことは常に考えていなくてはならない。だから,うちの開発部のメンバーには「PMに必要なスキルセット」の一部が足りないということになる。これを補わなくてはならないと思って,このカードを作った。
桧山: 分かりました。