前回は,小島が担当している教育研修制度企画のプロセスを通じて,結論から話す・書くという「ピラミッド型」のメッセージ構造の考え方と手順を説明しました。  

 一般に,何かを伝えたいなら,まず,結論があり,その後に理由や詳細説明をする方(ピラミッド型構造)が,最後に結論をもってくるもの(逆ピラミッド構造)より早く,明確に理解できます。しかし,日本人は初等教育で「逆ピラミッド」構造ばかりを習うため,「ピラミッド構造」に不慣れです。

 だからこそ,意識して「ピラミッド構造」にするように訓練しないといけないことを小島に説明しました。小島は引き続き研修企画の仕事を続けていますが,この続きは,別の機会に紹介することにします。

 さて,小島のエピソードが続きましたが,今回からは別のエピソードを紹介します。我々の属する組織は本社にあるのですが,システム開発を担当する「システム開発部」は別の場所にあります。

 我々5人(芦屋,岡田,坂本,藤井,小島)も全てシステム開発部に所属していた経験があるのですが,今回,桧山という中堅エンジニアが我々の課に1週間常駐することになりました。

 桧山はかつて私の部下だったことがあり,システム設計やレビュー運営などを教えていました。彼は,そのままシステム開発部で中核人材になり,この春,管理職として大きいプロジェクトをマネジメントすることになったのです。

 しかし,桧山はこれまで開発の仕事が多く,本格的な客先との交渉やプロジェクトメンバーを思い通りに動かす力がまだ弱かったのです。そこで,情報システム部長が桧山に「いろいろな管理職の話を聞くこと」との指示を出しました。これを受け,桧山は土日を含めた7日間,我々の室で一緒に仕事をすることになったのです。

 今回は,“仕事に役立つ7つの科目"の「(5)思考力」に関する「速攻思考」がテーマです。なお,本コラムの最後では,今回紹介した「芦屋式 思考力トレーニングカード1」をPDF形式でダウンロードできるようにご用意しました。会社の研修,教育にご活用いただければと思います。