前回は“文章をばっさり省く方法"として「矢印などの記号を使う」を説明しました。  

1.ビフォー【before】
システムトラブルの原因は,分岐ロジックの考慮漏れです。それは,担当者のデータ項目の考慮ミスから生じています。そこで,今後は,レビューにてチェックを徹底することにより,再発防止を行います。
2.アフター【after】
システムトラブル←分岐ロジックの考慮漏れ←データ項目の考慮ミス(担当者)
    ↓
再発防止策←チェック徹底(レビュー)


<表記ルール>
・キーワード同士を関係の→で連結
・関係は,「原因→結果」,「主張←根拠」,「概要→詳細」,「問題→解決策」,「物体←構成物」など(ただし,あまり厳密なルールでなく,直感的に分かる範囲でOK)

 本来の文章では「1.ビフォー【before】」のような表現になりますが,ビジネスの世界で,「人に伝えるために簡潔にする」という条件を考えると,「2.アフター【after】」の方が,「説明しやすく,相手もわかりやすくなる」ということを小島に教えました。

 今回は前回の続きとして,「記号などを使って文章を省く」技術の考え方を具体的に説明し,さらに,「結論から書く,話す」ための方法とその具体的エクササイズを紹介します。

 今回は“仕事に役立つ7つの科目”の「(1)文書」に関する「結論から書く」と「(3)説得的コミュニケーション」に関する「結論から話す」がテーマです。

 

「省く技術」で,主張と理由を明確化する

芦屋: 小島,昨日の宿題を見せてくれないか。「どう省いたのか」を見せてくれよ。省いた「結果」とその「考え方」をホワイトボードに書いてほしい。
小島: 了解です…,こんな感じでどうでしょうか?