前回は,“仕事が速い人”の7つの特徴として,「話を固くする」ことが重要であること,そのために有効なのが「批判的に考えたり,批判的に見る」であることを説明しました。


仕事が速い人の7つの特徴


(1)批判的に考える・見ることができる

(2)深く理解できる

(3)話を固めることができる

(4)構造的に分解・組み立できる

(5)目的達成型の行動ができる

(6)他人を説得できる(他人を上手く使える)

(7)自分に「〆切り」を課すことができる

 今日は,前回の続きを説明します。今回も,“仕事に役立つ7つの科目”の「(2)仕事段取り」がテーマです。

批判的に考えることで,「話は固く」なる

芦屋:小島,昨日の宿題は考えてきた?

小島:そうですね。仕事を速くするためには,自分の考えた解決策・・・主張に反論の余地を与えず,論拠を強くするというようなことだと思うのですが・・・要は,他人から反論されないような話になれば,やり直しや追加作業がいらないから仕事が速くなるという理屈ですよね。

芦屋:そうだな。

小島:理屈はそうですけど・・・それはそれで難しいですね。 結局,僕には思いつきません・・・申し訳ありません。

芦屋:了解。では,一緒に考えていこう。昨日,僕は「固い話」は,仕事の目的,効果,実現策の実効性が固いということ。つまり,理に適って納得感があり,「上手くいく」と思わせる。このため,他人から反論を受けにくく,サポートしてもらえる可能性が高い」と言った。「話が緩い」と仕事がいつまでも終わらないから,「話を固くする努力」をしなくてはならないんだ。簡単なことなんだけど,これが本当にできていない人が多い。

小島:みんなそうでしょうか?

芦屋:そうだ。だからこそ,教えなくてはならないんだ。さて,本題に入ろう。「(3)話を固める」には「(1)の批判的に考える,批判的に見る」ということが役に立つ。「固い話」とは,「他人からの批判,疑問に明確に答えることができる」という状態だ。批判が多ければ多いほど,強ければ,強いほど「話は固く」なる。

小島:そうですね。

芦屋:だから,自分の考えはまず,自分で批判的に苛めぬかなくてはならない。自分のアイデア,発想を考えたら,それを紙に書き出し,次に,その疑問,批判をできるだけ書き出す。

小島:ちょっとイメージがわかないですね。

芦屋:了解。例えば,うちでは最近システム開発作業が非常に多くなっているよね?

小島:そうですね。

芦屋:だから,開発要員を増やさないといけないよね。要員が不足すると必要量をこなせないからな。そう思わないか?君は部長に「人を増やさないといけない」と言ってもいいんだよ。

小島:・・・

芦屋:言えないか?なぜ?

小島:今年は開発案件が多かったけど,来年は分からないじゃないですか?まだ,予算策定の時期じゃないし,ユーザー部門にヒアリングして,来年も案件が多いようだったら,増員を考えなくてはなりませんね。

芦屋:了解。というと,君の考えていることは,こんな感じだな。ちょっとホワイトボード見て。